趣味の学習ノート

IT関連の学習や開発の記録など。

文章執筆を学ぶ01 2025年2月後半

アカデミックライティングや技術ライティングを習得したくて、文章執筆について学んでいます。

この記事では、僕が2025年2月の後半に学んだことをまとめています。内容はメモ程度なのでご了承ください。

はじめに

2月の後半は、学術文章の書き方を学ぶため、気になっていた書籍を2冊読みました。

昨年の夏、大学の「アカデミックライティング」の授業の中で論文やレポートを書くための「作法」を学びました。とても興味深い授業だったため、次は「問いの立て方」を学びたいと思いました。

あまりこれといった進捗がなかったのですが、読みながらちょくちょくメモしていたのを時系列順に列挙してみます。

書籍

リサーチ・クエスチョンとは何か?

佐藤郁哉『リサーチ・クエスチョンとは何か?』 ちくま新書(2024年)

論文やレポートの書き方を学びたくて手に取った本です。

大学の「アカデミックライティング」の授業の中で、リサーチクエスチョンが論文執筆で重要ということを学んだので、その深堀りです。

書籍で取り上げている分野は社会科学分野ですが、他の分野の研究や一般的なリサーチにも生かせそうだなと思います。

2/14

  • 問いは「立てるもの」というよりも「育てていくもの」という見方が面白かった。

2/15

  • リサーチは、エキサイティングな謎解きである。

2/16

  • 問に重要なのは、2W(What, Why)と1H(How to)
  • 仮説の設定・データ収集・分析・執筆は型どおりに進むのではなく、行ったり来たりしながら進む(漸次構造化型)

2/17

  • 他の書籍では見逃されがちな2つの視点:問は調査段階によって変化すること、問のレベル(包括性、範囲)はさまざまであること

2/18

  • 大きすぎる問いは「身の丈に合う」サイズにまでスケールダウンする必要がある
  • 「多くの事柄について少しだけのこと」を語るよりは「少数の事柄について多くのこと」が言えるようにするべきだ(経済学者デイビッド・シルバーマン)

2/19

  • 総論的なリサーチクエスチョン(抽象的で範囲の広い問い)を、各論的なサブクエスチョン(具体的な身の丈にあった問い)へと絞り込んでいく。その過程では「何に焦点を当てて見るか」と同時に「何を見ないか」を決めていくことでもある。どのような属性を調査の対象から外すかを選択することでもある。
  • リサーチクエスチョンの設定の際には2W(What, Why)ないし2W1H(How to)が大事だが、サブクエスチョンを個別具体化していくための質問(サブ・サブクエスチョン)を考える際は5W1Hが役に立つ。
  • 卒業研究などでは、広く浅く調べたことを論文としてまとめるよりは、焦点を絞った調査対象について自信をもって語ることができる範囲にすると良い。実行可能なレベルの具体的な問いに落とし込み、実証可能な範囲で確かなデータや資料を集める。

2/21

  • (6章)論文執筆の最後のフェーズでは、これまで各論のレベルに絞り込んで得た調査結果を、総論に戻して意味や位置づけについて確認する。学生の論文が「尻切れとんぼ」になってしまう主な原因は、この作業を行っておらず大局観が見えていないため。

学術書を書く

鈴木哲也・高瀬桃子著『学術書を書く』京都大学学術出版会(2015年)

著者の一人が以前読んだ『学術書を読む』の方なので、興味がありました。

まだ前半部分しか読めてないのですが、電子化時代の学術書を取り巻く課題だったり、学術メディアに何が求められているのかといった学術書を書く意義について話されているのが興味深かったです。

後半の目次を眺めると、文章の書き方や出版業界の作法についてのお話が主でしょうか。

2/22

  • 1980年代以降にオンライン化が進んだことにより、学術研究かかえって狭くなったとの研究結果が興味深い
  • 物理的な発行部数を気にしないため、発信する人が読者を意識しないで済むようになってしまった

2/23

  • 発信者が意識すべき「わかりやすさ」は、テレビや講演などの受け身のメディアと、書籍など能動的なメディアでは異なる。

2/26

  • (4章)学術書の可読性を上げるための本文記述と見出しの留意点の話は、技術ライティングにも生かせそう。重複を避ける、気弱な記述を避ける、見出しを工夫する。

LINE Bot制作に必要なトークン取得・Webhook設定手順【Messaging API】

本記事では、LINE Botを制作するために必要な、チャネルアクセストークンの取得やWebhook URLを設定する方法を説明します。

下記ブログの手順で公式アカウントの準備を終えた後に必要な手順となるので、まだの方は先に済ませておいてくださいね。

nouka-it.hatenablog.com

全体の流れ

LINE Messaging APIを使ってLINE Botを制作するためには、公式アカウントを作成した後にもう少し確認しておく事項があります。

具体的には、次のような操作が必要となります。

  1. 自身のユーザIDの確認
  2. チャネルアクセストークンの取得
  3. Webhook URLの設定

はじめての方には、慣れない用語も多いかと思います。現時点でわからなくても、実際にLINE Botを制作していく過程で習得していければOKなので、安心してくださいね。

本記事ではWeb画面の操作手順を解説します。それぞれの操作自体は簡単ですので、ひとつひとつ確認しながら進めていきましょう!

LINE Developersコンソール

ここからは、PCのブラウザで「LINE Developers」のWebコンソールを開いて行います。

これはLINEのAPIを用いてサービスを開発・管理するための開発者向けのWebサイトです。

developers.line.biz

URLをクリック後、右上の「コンソールにログイン」をクリックします。

するとLINE Business IDへのログインを求められるので、「LINEアカウントでログイン」をクリックしてください。

一度ログインしていれば、自身のアカウントが表示されているはずです。画面の指示に従って進めればOKです。

もしスマホのLINEアプリでの認証を求められた場合は、前回の記事と同じ手順で認証をしてください。

ログインが成功すると、下記のような画面になります。これがLINE Developersのコンソール画面です。作成したプロバイダーの名前を探して、クリックしましょう。

すると、Messaging APIの設定を行った公式アカウント(以降、チャネル)の名前が表示されます。クリックしましょう。

📝補足メモ
LINE Developersでは、LINEが提供するAPIやサービスを用いて作成するアプリを「チャネル」と呼びます。Messaging APIの設定を行った公式アカウントのことも、以降はチャネルと表記します。

チャネル基本設定のページが表示されたらOKです。ここから、以降の手順をスタートします。

1. 自身のユーザIDの確認

まずは、自身のユーザIDを確認しておきましょう。

「チャネル基本設定」のタブが選択されていることを確認し、画面を下にスクロールして「あなたのユーザーID」を探してください。

Uから始まる英数字の右にあるコピーマークをクリックしてコピーし、手元のメモに貼り付けておきましょう。

📝補足メモ
このユーザIDは、LINEでの友だち検索の際に利用するLINE IDとは異なるので、注意しましょう。LINE Developersコンソールから確認できるユーザIDは、プロバイダごとに割り当てられたUからIDとなります。

参考:ユーザーIDを取得する | LINE Developers

2. チャネルアクセストークンの取得

次に、チャネルアクセストークンを取得します。

「Messaging API」のタブが選択されていることを確認し、画面を下にスクロールして「チャネルアクセストークン(長期)」を探してください。見つけたら「発行」ボタンをクリックします。

ずらーっと長い文字列が現れましたね。この文字列の右にあるコピーマークをクリックしてコピーし、手元のメモに貼り付けておきましょう。

📝補足メモ
チャネルアクセストークンは、LINE BotをAPI経由で操作する際に必要となる情報です。このトークンを使ってプログラムからMessagin APIを操作し、LINEへメッセージを送信するといったことが可能となります。このトークンは秘匿情報ですので、他の人には知られないように注意してください。

参考:チャネルアクセストークン | LINE Developers

3. Webhook URLの設定

最後に、Webhook URLの設定方法を確認します。

本記事では、GASでLINE Botを制作することを前提に進めていきます。この先はGASで作成したWebアプリのURLが必要ですので、準備してから以降の設定を進めてくださいね。次のようなURLが必要です。

https://script.google.com/marcos/ ~~~~~~~~ /exec

「Messaging API」のタブが選択されていることを確認し、真ん中あたりの「Webhook URL」を探してください。見つけたら「編集」ボタンをクリックします。

入力欄にGASで作成したWebアプリのURLを入力して、「更新」をクリックします。

次に、「Webhookの利用」の横のトグルスイッチをクリックし、オンにします。色が緑色に変わればOKです。

📝補足メモ
Webhook URLとは、一般には特定のイベントが発生したときに、その情報を他のアプリに通知するためのURLのことをいいます。LINE Botの場合、Webhook URLとしてGASのWebアプリのURLを設定しておくことで、たとえばユーザーからのメッセージの受信などのイベントが発生したときに、その情報をもとにGASのプログラムを動かすことが可能となります。

最後に、もう一つだけ設定を行っておきましょう。

Webhook設定のすぐ下にある「LINE公式アカウント機能」から「応答メッセージ」を無効にします。右の「編集」をクリックしましょう。

おなじみのLINEビジネスIDのログイン画面になり、ログインすると「LINE Official Account Manager」のWebサイトに移動します。

「応答機能」の中から「応答メッセージ」のトグルスイッチをOFFにします。色が灰色に変わればOKです。

以上で、LINE Bot制作のための準備はすべて完了です。おつかれさまでした!

おわりに

さて、ここまで「LINE Developers」のWebコンソールで、LINE Bot制作に必要なユーザIDとトークンを取得し、Webhookの設定を行いました。

聞き慣れない用語が多かったですが、実際にLINE Botを制作していく過程で理解できることも多いので、現時点では設定ができていればOKです。

ここまででLINE Botの最低限の準備は完了です。今後また新しくLINE Botを制作する際には、前回の記事と合わせて再び参考にしてください。

では引き続き、LINE Bot制作を楽しんでいきましょう!

LINE Bot制作のためのLINE公式アカウント開設手順【Messaging API】

本記事では、LINE Botを制作するために必要なLINE公式アカウント(以下、公式アカウント)の開設手順を説明します。

全体の流れ

公式アカウントを作成してMessaging APIを使えるようにするための手順は、次のような流れです。

  1. LINEビジネスIDへのログイン
  2. LINE公式アカウントの作成
  3. Messaging APIの設定

はじめての方には、何がなんだかわからないですよね。

また、以前にLINE Botを作成したことがある方にとっても、手順が変わっているため混乱してしまうかもしれません(補足メモ参照)。

これらは画面にしたがって一本道で進めていくだけなので、とくに難しいことはありません。ちょっと長いのですが、本記事でじっくり進めていきましょう!

参考:LINE Developers公式「Messaging APIを始めよう」

📝補足メモ
以下は、2024年9月4日の仕様変更以前からMessaging APIを利用している方への補足です。

以前は「LINE Developers」コンソールから「チャネルの作成」によりMessaging APIの作成を行うことができましたが、仕様変更以降はその手順ではMessaging APIを作成できなくなりました。

正確には、作成はできるもののWebサイトを行ったり来たりするため、少しややこしくなっています。そのため、本記事では「LINE Developers」コンソールからではなく「LINE Official Account Manager」から作成する新しいやり方を解説しています。

参考:2024年9月4日をもってLINE DevelopersコンソールからMessaging APIチャネルを直接作成することはできなくなりました

LINE Official Account Manager

公式アカウントの作成は、PCのブラウザで「LINE Official Account Manager」を開いて行います。

これは公式アカウントを管理・運営するための管理者向けのWebサイトです。

manager.line.biz

では、さっそくやっていきましょう。

1. LINEビジネスIDへのログイン

上記サイトを開くと、最初は「LINEビジネスID」へのログインが求められます。

LINEビジネスIDは公式アカウントを運用するための管理画面にログインするためのIDです。これには個人のLINEを用いてログインすることができます。

「LINEアカウントでログイン」をクリックしましょう。

メールアドレスとパスワードを入力してログインすることもできますが、ここでは下の方の「QRコードログイン」をクリックしてみましょう。

すると、PC画面にQR画像が表示されます。

手持ちのスマホでLINEアプリを開き、友だち登録用のQRリーダーを起動して読み取りましょう。

PC画面が自動で変わり、4桁の認証番号が表示されます。スマホのLINEアプリの画面に沿って、暗証番号の入力を進めてください。

最後にアカウントの確認画面になるので、「LINEビジネスIDを作成」をクリックすればOKです!

ログインが成功すると、下記のような「アカウントリスト」の画面になります。既に公式アカウントを作成して運用している人は、ここに一覧に表示されているはずです。

2. 公式アカウントの作成

左のメニューバーから「作成」をクリックして、公式アカウントの作成を進めていきましょう。

まずは、アカウントの情報を登録します。下記画像の赤枠部分が必須事項となりますので、画像を参考に入力してみてください。

ここで「アカウント名」は友だち登録時に表示される名前になるので重要です(あとから変更も可能です)。入力を終えたら、規約を確認して最下部の「確認」をクリックします。

次に、入力内容の確認です。下部のチェックボックスは任意で外して大丈夫です。入力内容に間違いがなければ「完了」をクリックします。

緑色の「LINE Official Acount Managerへ」のボタンをクリックし、先へ進みます。

この後、LINEヤフー株式会社との「同意について」の文章が二つ出てきますので、確認して「同意」をクリックして進めてください。

すると最後に、下記のようなポップアップが出てきます。ひとまず「①次へ」「②ホーム画面に移動」の順にクリックして消しちゃいましょう。

下記のような画面になれば、公式アカウントの作成は完了です!

手持ちのスマホのLINEのトークを確認すると、作成したアカウントが自動で友だち登録されているはずです。確認してみてください。

3. Messaging APIの設定

さて、ここまできたらあともう一息です。もう少しだけ、がんばっていきましょう。

次は作成した公式アカウントで「Messaging API」を使うための設定をしていきます。

📝補足メモ
Mesasging APIとは、公式アカウントとそれを友だち登録しているLINEユーザとの間で、双方向のやりとりを可能にするWeb APIです。この設定しておくことで、公式アカウントをプログラムから操作するための準備が整う⋯というようなイメージを持っていただければ良いでしょう。

まずはホーム画面右上の「①設定」をクリックし、公式アカウントの設定画面に移動します。

左側メニューから「②Messaging API」を選択し、緑色の「③Messaging APIを利用する」ボタンをクリックします。

すると、開発者情報を登録する画面が出てきます。名前とメールアドレスを入力し、規約を確認し「同意する」をクリックしましょう。次の確認画面でも情報が間違っていなければ「OK」をクリックして先へ進みます。

次に、プロバイダーを選択する画面が出てきます。はじめての場合は「プロバイダーを作成」欄に名前を入力し、規約を確認したら「同意する」をクリックしましょう。もし既にプロバイダーを作成済みの場合は、それを選択して先に進めても構いません。

📝補足メモ
ここで登場するプロバイダーは、「公式アカウントを運用する提供者」という意味合いになります。たとえば一つのLINEビジネスIDで複数の公式アカウントを運用する場合に、目的に応じてプロバイダーを分けて管理することが可能です。
しかし、一度プロバイダーを設定すると他のプロバイダーに変更することはできないので、注意が必要です。

次に、プライバシーポリシーと利用規約を登録する画面が出てきますが、入力は任意なのでそのまま「OK」をクリックしましょう。次の確認画面でも問題なければ「OK」をクリックし、プロバイダーを作成します。

下記のような画面になればすべて完了です。お疲れ様でした!!

おわりに

さて、ここまで「LINE Official Account Manager」のWebサイトで、LINE Bot制作のための公式アカウントを作成し、初期設定を行いました。なかなか手順が多く、大変でしたね。

本記事の流れを振り返ってみると、次のような手順をたどってきました。

  1. LINEビジネスIDへのログイン
  2. LINE公式アカウントの作成
  3. Messaging APIの設定

もし今後、2つ目、3つ目⋯とLINE Botを制作する時は、本記事と同じ流れをたどることになります。その際には、LINEビジネスIDへのログインやMessaging APIの設定まわりが少し簡単になっているはずです。

公式アカウントの開設手順で迷ったら、ぜひまた本記事をご活用くださいね。

HCIの情報収集03 2025年2月前半

HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)分野に興味があり、情報収集に取り組んでいます。

この記事では、僕が2025年2月の前半に学んだことをまとめています。内容はメモ程度なのでご了承ください。

先月の記事

nouka-it.hatenablog.com

nouka-it.hatenablog.com

はじめに

2月は、引き続きHCI分野の情報収集と、それに加えて学術文章の書き方について学んでいます。

先日、1月のノンプロ研ブートキャンプ成果発表としてLTを行いました。その際にHCI分野について紹介する形でまとめ、僕なりの初学者の視点で見たHCIの外観について整理しました。本記事でも改めて整理してみます。1月にアップした内容と重複している部分もあります。

また、大学の学生の方による卒業研究の発表を視聴できる機会もあったので、そのお話にも触れています。

HCI分野の紹介

どんな分野?

まずは、ひとことで「HCIはどんな分野なのか」という概要を掴みたいと思います。

ひとことで:
人間とコンピュータの相互作用(インタラクション)について研究するコンピュータサイエンスの一分野

  • H: Human(ヒューマン)
  • C: Computer(コンピュータ)
  • I: Interaction(インタラクション) / I: Interface(インタフェース)

もう一声:
「どうすれば人間が効率的かつ快適にテクノロジーを使えるか?」を探求することが目的

  • 技術だけでなく心理学やデザイン、人間工学とも関係のある学際的な分野
    • 学際的:複数の学問分野にまたがっていること

ChatGPTの助けを借りました。大きくズレはないのかなと思いますが、間違えていたらすみません。

chatgpt.com

外観を眺める

まずはこの辺りで外観を抑えておくとよいのかなと思います。入門向けに残してくださっているのはとてもありがたいです。

マンガでわかるHCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)

note.com

  • インタフェース
  • ユビキタス
  • データ可視化
    • など

HCIの「3つの波」

note.com

  • 第1の波:機械(UIデザイン)
  • 第2の波:機械 + 人間(特定の環境でのUXデザイン)
  • 第3の波:機械 + 人間 + 日常生活(日常生活への影響にも着目したデザイン)
    • 今後、LLMなどによる「第4の波」は来るのか?

インタフェース探求の歴史がおもしろい

インタフェース探求の歴史がおもしろいです。CUIからGUIの発展により、コンピュータは大きく普及しました。次に考えうるTUIという「触れる」インタフェースを、石井先生が提供しています。

石井裕の”デジタルの感触

ascii.jp

  • CUI:キャラクター・ユーザ・インタフェース
  • GUI:グラフィカル・ユーザ・インタフェース
  • TUI:タンジブル・ユーザ・インタフェース

事例と関連領域

僕が1ヶ月間に文献を読むことができた範囲で、事例と関連領域について挙げてみました。

  • 事例はさまざま

    • ものづくりとユーザエクスペリエンス
    • ロボットと人間の共生
    • 地域コミュニティの形成
    • LLMがユーザに及ぼす影響調査
    • よりよいプログラミング学習環境の探求(福祉・教育分野)
    • VRを用いたコミュニケーションの探索(医療・教育分野)
    • メディアアート
  • 関連領域もさまざま

    • 認知科学
    • 脳科学
    • デザイン
    • システム開発(Web, モバイル, ゲーム, etc)
    • プロトタイピング
    • 人工知能
    • ロボット工学
    • 視覚化技法
    • 調査手法(統計学、アンケート調査)

なんだか結局、事例や関連領域が多種多様すぎて発散してしまいました。

初学者から見たHCI

ここまで学んだ範囲で、初学者として僕なりに感じたHCI分野の特徴を整理してみると、次の3つになりました。

  1. 適応範囲も必要なスキルも幅広い
  2. プログラミングや特定の技術に限らない
  3. アイデアを考える際のベースである

転じて、この分野を学ぶ魅力も見えてきました。

  1. 飽きずになんでも学べる
  2. あるものはなんでも活用できる
  3. 世の中の見方・問いの立て方を学べる

最初は「何から学んだらよいかわからない」「取っ付きづらい」という印象を抱いたため、ここまで情報収集してみましたが、やはりよくわかりませんね。かなり抽象的で幅広い分野だという印象は深まった一方で、魅力に感じる点は明確になってきました。

今後は、対象を絞って学んでいきたいと思っています。

研究発表を視聴

2/8には、大学の学生の方々による研究発表をお聞きしました。たまたま二つのイベントが同日に重なってしまいましたが、オンラインとオフラインで時間帯もズレていたので参加できました。楽しかったなー。

TOUリサーチレポート報告会

学内向けに開かれたリサーチレポート*1の研究報告会の中で、HCIをテーマに「一枚絵」の研究をされた方の発表をお聞きしました。

ビジュアルシンキングの手法をもとに、授業や書籍の内容を「一枚絵」としてまとめる方法を試行錯誤し、その学習効果と可能性について発表されていました。

一枚絵を「描く自分/見る自分との間にあるインタフェース」として捉える考え方が、個人的にはとても興味深かったです。

 

yumuLab. 卒業研究展

北海道情報大学の湯村研究室(yumuLab.)の学生の皆さんの卒業研究の展示・発表会が一般向けに開催されたので、お邪魔してきました

北海道情報大学 湯村研究室 2024年度 卒業研究展 - connpass

若い学生の皆さんの開発スキルは言わずもがな、研究の着眼点を見習いたいと思いました。既存の研究との違いに必ず触れていたのが印象的でした。少し振り返ってみます。

  • 既存の高校生向けプログラミング教材が環境構築が煩雑→ロジックの学習に集中できるようWeb版を試作
  • ロボットの外装はプラ製のものが多い→木製のものを作り人に与える精神的影響を調査
  • ジェスチャでドローン操作をする研究はあるが、設置型やカメラ利用など屋内向けである→屋外でも使えるモーションキャプチャ装置を開発
  • ドローンの自動操縦はプログラミングスキルが必要→リアルタイム写真をGPTに送り画像解析でドローンに命令を送り、素人でも自動操縦できるかを検証
  • ASMR動画をより楽しめるシステム提案:YouTub動画と連動する仕組みとペルチェ素子を使って感覚に働きかけるデバイスを試作
  • 図書館の滞在人数を可視化して行動選択に利用できるシステムの開発:プライバシー配慮やエリアごとの計測

お会いしたかった先生ともリアルでお話できて良かったです。

また、このイベントで『新千歳空港入門』の著者さんとそのご友人の方ともお会いできました。同人誌執筆についてのお話もできました。とても良い一日でした。

参考

関連書籍

HCIの教科書的な書籍を探してみると、日本語のものもいくつかでてきます。その中で、比較的新し目の書籍が2つありました。

北原克典『イラストで学ぶ ヒューマンインタフェース 改定第3版』講談社(2024)

玉城絵美『新しいヒューマンコンピュータインタラクションの教科書 基礎から実践まで』講談社(2023)

関連学会

国内で関連しそうな学会はこちら。他にも色々あると思うので、適宜追加していきます。

ヒューマンインタフェース学会

jp.his.gr.jp

情報処理学会 HCI研究会

www.sighci.jp

*1:僕が現在通っている東京通信大学では、4年次に任意で受講できる「リサーチレポート」という科目がありました。過去形なのは、このリサーチレポートを受講できたのは2022年度に入学した学生までで、その後は残念ながら選択できなくなったためです。今年は最後の報告会の年でした。

HCIの情報収集02 2025年1月後半

HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)分野を学んでみたくて、情報収集に取り組んでいます。

この記事では、僕が2025年1月の後半に学んだことをまとめています。内容はメモ程度なのでご了承ください。

ちなみにこれは、僕が所属している学習コミュニティ「ノンプロ研」で開催されている「ブートキャンプ」という企画に参加して、今月一ヶ月間のテーマとして実践しているものです。2025年1月、ブートキャンプ vol.22。

前回の記事 nouka-it.hatenablog.com

はじめに

1月は、HCI分野の概要と最新のトピックについて整理するというテーマで情報収集をしてきました。

気になるテーマのWeb記事を調べたほか、手元の学会誌やWeb上で見られる論文の中から興味のある内容を拾ってみる、という方法で取り組みました。

とにかく、興味のおもむくまま眺めてみるのが面白いですね。気になるキーワードや研究者を見つけたら、波に乗るように流されてみるという感覚でした。

Web連載:石井裕の“デジタルの感触”

「タンジブル」の概念を提唱した、MITメディアラボ教授の石井裕先生のエッセイ連載を見つけました。

ascii.jp

2007年7月から2008年2月にかけて、毎週投稿されていた連載のようです。すごい人の感性ってやっぱりすごいんだなと(語彙力)。

第1回 原点としてのそろばん

ASCII.jp:原点としてのそろばん (1/2)

先生は、実体のない情報を表現するTUI(タンジブルユーザーインタフェース)の概念を2002年に提唱した。GUIとは異なる新しいインタフェースの考え方で、入出力(デバイスと情報)の一体化による直接操作が特徴。その発想の原点は、そろばんというインタフェースだった。

以下、興味深かったところを引用。

10進数という情報は、そろばんの珠とその位置関係により物理的に表現される。10本の指でその珠に直接触れ、情報を操作・計算できる。大人になって再びそろばんを手にしたとき、私は情報表現と操作手段が密に結合した物理的インターフェースの明快さ、直接性に大きな魅力を覚えた。

第4回 タンジブル・ビット:ビットとアトムを融合する新しいUI

ASCII.jp:タンジブル・ビット:ビットとアトムを融合する新しいUI (1/3)

「タンジブル・ビット」の定義と特徴について整理している回。

TUIというパラダイム

  • GUI:物理世界を「メタファー」としてグラフィカルにシミュレートする
  • TUI:物理世界そのものをインタフェースに変えることが究極の目的

タンジブル・ビットの基本的なアイデアは、情報に物理的表現を与え、ユーザーが身体を使って情報を直接操作可能にすることにある。物理的実体を与えた情報に直接触れて、感知・操作できるようにするという目的から、これを「Tangible User Interface(TUI、タンジブル・ユーザー・インターフェース)」と呼ぶ。「tangible」とは、「触れて感知できる実体がある」という意味だ。

GUIとTUIのモデル

情報操作のインタフェース(UI)に必要なものは、出力と入力の二つ。

  1. 出力:人間が知覚可能な情報の外部表現。感覚器を用いる
  2. 入力:人間が操作可能な制御機構。手や身体を用いる

これを踏まえて比較すると...。

  • GUI:出力はインタンジブル(触れない)、入力はタンジブル(触れる)かつ多機能・汎用的(例:マウスとキーボード操作で入力、ピクセルやサウンドで情報出力)
  • TUI:入力も出力もタンジブル(触れる)、さらにインタンジブル・タンジブルな情報表現をシームレスに組み合わせて高度なインタラクションを実現(例:模型を手で動かして影の動きをシミュレーションするなど)

第5回 入出力一体型タンジブル・ユーザー・インターフェース

ASCII.jp:入出力一体型タンジブル・ユーザー・インターフェース (1/3)

タンジブル・ビットの具体例として、MITメディア・ラボのTUIプロトタイプが紹介されている。

・inTouch:遠隔で触角によるコミュニケーションがとれる木製のローラー ・curlybot:平面上で動かした軌跡を記録する教育用玩具

入力と出力とが完全に一体化しており、人に力覚情報を提示するフォース・ディスプレー技術によって、実際の動きを表現出力に用いている。

第6回 タンジブル・ワークベンチ

ASCII.jp:タンジブル・ワークベンチ (1/3)

連載6回目。むずい。現実の仕事におけるTUIの可能性を、プロトタイプ実演することで可能性を提示した(99年 Urpプロジェクト)。

・タンジブル・ワークベンチ:つかめるモデルとつかめない映像表現の組み合わせ(作業場そのものがインタフェースというイメージだろうか?) ・Urp:ビルの模型を机上で動かすことでコンピュータが計算し影を投影できる都市計画用TUIのプロトタイプ

TUIのデザインでは、何に物理的実体を付与してつかめるモノにするか、何をデジタル・イメージのままで表現するかという判断が重要となる。さらに、両者をいかに有機的に結合させて、デジタル世界と物理世界の境界を透明にするかが、インターフェースが成功する鍵となる。この問題に対し、Urpのビルディング・モデルが投げかけるデジタル・シャドウはひとつの明快な回答となろう。

Web記事:研究者

岡田美智男先生 弱いロボット

豊橋技術科学大学の岡田美智男教授が提唱した「弱いロボット」について、少し調べました。

www.tut.ac.jp

この「弱いロボット」は、僕が以前読んだ本で出てきて気になったものでした。人間そっくりの見た目でそれ単体で動作する完全なロボットではなく、なんだかよくわからないけど人がサポートしたくなるような不完全なロボット。

一見、役に立たない・合理的でないように見えるけど、そこにはコミュニケーションにおいて何らかの意味があるのかもしれません。

デザインの考え方として「引き算デザイン」を知ったのも、この先生の著書がきっかけでした。

弱いロボットの例で、「NICOBO」についてもちょっと調べました。

ec-plus.panasonic.jp

川上浩司先生 不便益

京都先端科学大学の川上浩司教授による「不便益」という考え方に興味を持ちました。

www.kuas.ac.jp

科学技術によって暮らしは便利になり、これまで行っていた「不便な工程(行為)」は必要なくなりました(例:図書館に調べ物に行く、手紙を送る)。これまでの工程がブラックボックス化されたとも言えます。しかしその工程にも何かしらの効用があるはずで、その効用に目をつけたのが「不便益」の考え方です。

気になったポイント

  • 「素数ものさし」は不便益デザインの一例
  • 不便だからこそユーザや関与者に益をもたらすシステム
  • 「ブラックボックスで、なぜかうまく働く仕掛け」ではなく、むき出しのデザイン

Web記事:その他

伝導性粘土

「電気を通す粘土」を作ってみたくて、うずうずしています。

blog.goo.ne.jp

小麦粉、塩、レモン汁、植物油があれば作れそうですね。

記事にもある通り、オライリー・ジャパンの書籍「ティンカリングをはじめよう」に出てきて気になっていました。この書籍が面白くて、僕の子供も何か惹かれるところがあるのか、一緒によく眺めています。

圧電素子(ピエゾ素子)

いつか使ってみたいピエゾ素子。圧力を検知して電圧が発生する、というものです。

fabcross.jp

学会誌:ヒューマンインタフェース学会

ヒューマンインタフェース学会から届いた2024年の学会誌をじっくり読んでみました。

jp.his.gr.jp

せっかく大学に入り学会に所属してみたものの、まだあまり活用できていないです。

2024 26-4

共生型デザインプロセスのためのインタフェース、がテーマ。

  • ケア現場の課題解決を目的としたソーシャルVRにおける共創デザイン手法の探索
  • 共創のためのインタフェースデザイン
  • 幕張ベイ地区におけるWell-beingを志向した共創活動のコミュニケーションのあり方とその実態

2024 26-3

2023年度論文賞受賞者の紹介記事の特集。

  • 人に寄り添うノンバーバルコミュニケーションの探求
  • いつでも・だれ(と)でも触れられるプログラミング環境を目指して
  • 人と共生するロボットデザインを目指して

論文:情報処理学会 HCI研究会

情報処理学会の電子図書館で調べて、興味を惹かれた論文をいくつか読んでみました。

ipsj.ixsq.nii.ac.jp

この電子図書館、使いやすくて良いです。検索性が優れていて探しやすくてすぐアクセスできますね。

論文を探して読む作業は習慣化していきたいなと思いました。

  • 執筆途上文章の書き写しによる文章作成支援に関する検討(2024.03)
  • ながら視聴における動画の理解度低下抑制のための視線に基づく動画再生制御手法(2024.03)
  • ChatGPTとの共棲的関係が日常生活に及ぼす影響(2024.03)
  • ChatGPTとの対話によるユーザの精神状態への影響(2024.07)

特に「ChatGPTとの共棲的関係が日常生活に及ぼす影響」が素人目にはおもしろかったです。JAIST Repositoryで公開されているようです。

HCIの情報収集01 2025年1月前半

HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)分野を学んでみたくて、情報収集に取り組んでいます。

この記事では、僕が2025年1月の前半に学んだことをまとめています。内容はメモ程度なのでご了承ください。

ちなみにこれは、僕が所属している学習コミュニティ「ノンプロ研」で開催されている「ブートキャンプ」という企画に参加して、今月一ヶ月間のテーマとして実践しているものです。2025年1月、ブートキャンプ vol.22。

はじめに

今月は、まずはHCI分野の概要と最新のトピックについて整理したいと思います。

本記事で整理しているのは、主にWeb記事で探した情報になります。

どうにも、なかなかとっかかりが掴みづらいジャンルなんですよね。教科書的な内容を知ることに加えて、現在活躍している研究者について調べていく、というアプローチが良いかなと思いました。

ただ今のところ、主に過去の情報を仕入れているような状況です。最新情報を得るために、何か追いかけやすいメディアや発信者を見つけられたら良いなと思っています。

note:マンガでわかるシリーズ

マンガでわかるHCI (ヒューマン・コンピュータ・インタラクション) - はじめました

note.com

2019年に書かれたnote記事で、2024年現在では更新は止まってしまっている。アメリカの大学でコンピュータ・サイエンスの研究をしている鈴木遼氏。HCI分野に興味があって勉強したいけど、雑多すぎてどこから何から始めれば良いかわからない、というのは共通らしい。まずはこのシリーズを読むと、概要をつかむととっかかりになるかもしれない。

Xのリスト「hci-jp」もフォローさせていただきました。

マンガでわかるHCI: ユビキタスってなに?

note.com

生活に溶け込み、私たちの生活の一部になっていったテクノロジーこそが、ユビキタスなテクノロジーである。

マンガでわかるHCI: ユビキタス・コンピューティングってなに?

note.com

ちょっとよくわかりづらい概念。ただ、「ユビキタス・コンピューティング」というのは、特定の技術のことを指す言葉というよりは、開発者たちにとってのビジョンだと考えると良いのかもしれない。

マンガでわかるHCI: クラウドソーシングの歴史

note.com

クラウドソーシングの歴史が面白い!CHAPTCHAはスパム防止だけでなく、機械学習では難しい、古い書籍の文字認識の学習データを集めるために使われた。これがクラウドソーシングの先駆けとされている。

マンガでわかるHCI: 公衆衛生とデータ可視化の歴史

note.com

データ可視化もHCIの一分野。その歴史は250年ほどしかなく、それ以前は文字によるデータの説明が主だった。可視化すると理解力が上がるということが示されて、公衆衛生と共にデータ可視化が発展してきた。今では利用者がアニメーションを見るだけでなく、パラメータを操作できるインタラクティブな可視化が発達している。最前線の研究としては、データ可視化ツールの開発やARによる実世界へのデータ投影など。

Web記事:研究者

水口充先生 京都産業大学教授

www.kyoto-su.ac.jp

持っていてうれしくなる、使っていて楽しくなるものをつくろう —ものづくりはユーザエクスペリエンスの時代に—

ものを所有する理由は、ユーザの欲求を満たすこと。目指すのは“ちょっとした発明家”。

難しそうと思われるよりも使ってみたいと思われるものを、必死になって誰も作れないようなものを作るよりも、気が利いていて使ってみたくなるようなものを。

坂本大介先生 北海道大学准教授

costep.open-ed.hokudai.ac.jp

www.youtube.com

いいね!Hokudai 156 使いやすい機械をつくる研究者・坂本大介さん(情報科学研究院 准教授)[北大人図鑑No.12]

研究テーマ「使いやすい機械を作る」:便利だけど使えていないということは、コンピュータ側に問題がある → UIの研究

興味深かった:ダサいデザインは、特に初心者やコンピュータが苦手な人にとって使いやすいことが多い。例えば広告が多いECサイトは、視覚的に情報が一目で伝わる構造が好まれる。新紙幣はダサいと言われるが、ユニバーサルデザインを採用してるのですべての人にとって使いやすい。

情報デザインと建築、放送部、プログラミングの共通点

湯村翼先生 北海道情報大学准教授

yumulog.hatenablog.com

2020年の先生自身のブログ。社会人で博士号を取るまでの過程が赤裸々に(超濃厚) ニコニコ学会β、情報科学若手の会

careerhack.en-japan.com

2014年のインタビュー記事。

研究でも、クリエイターでも、アーティストでも、「やったことないことをやるか」「やったことない場所でやるか」「やったことないシチュエーションでやるか」どれかだと思うんです。そういう意味で、誰もやったことのない技術を作り出すのは大変ですけど、「場所」に行くのは比較的簡単なのかもしれません。

Web記事:その他

2024年 Matterに対応スマートホームデバイス

x-hemistry.com

2022年10月リリースのスマートホームの共通通信規格Matter 現在Matter 1.4